パフォ−マンスUPの点では絞り込んだ範囲の向上は期待出来ますが全域のバランスが難しく妥協を強いられます。
例えば加速ポンプのポンプジェットを大きくしてチョ−クプレ−トも外しベンチュリ−ボアを拡大すると加速時は目を見張る伸びになりますが外気温が低い季節になると始動が難しくなる等・・・
ケイヒン設計陣の誤算はヘミ燃焼室の理解が充分で無かった事に尽きます。
深い燃焼室とロングストロ−ク仕様で開発依頼を受けた当初は恐らく乗用車と云うよりトラックと同じ解釈をしたのでしょう。そして誰もがハ−レ−が日本で走る様になるとは想像すら出来ずにひたすら薄い混合気を命題にしたので実走行ではトルクカ−ブの立ち上がりに弱さが出てしまいましたね。
'70s V8と同じに濃い目の混合気を必要としたヘミは薄い設定ではヘッドのヒ−トUPを避けられず空冷E/gの弱点が顕著に現れてしまいました。
ベンディックス後期型は豪快な走りを堪能出来たのですが乗り手の腕が伴わないとカブらせてしまう点が余計に薄い方向付けにしてしまったのかも知れません。手練のマニア向けで製造していたH-Dが誰でも乗れる大量生産型にシフトした転換点のキャブですがオリジナルを良しとする考えだと矛盾が起こります。判断は人それぞれが・・・

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