ア−リ−Sとコ−ンモ−タ−では大きな越えられぬ開きが有ります。経営の悪化から総合商社AMFに身売りした段階でAMFは旧態依然のマニアックな顧客層向けに駄目出しを突きつけました。もっと幅広い層に向けビギナ−でも乗り易いバイクを求めて更なる活性化を要求しました。
そこでFLHの一車種だけを長く続けた方針からコ−ンモ−タ−で新たなスタ−トを切ったのは衆知の通りでした。
車重の重い純正フルドレスのままでは比較しても初心者には違いが感じ難くまして狭い日本では中々判らないと思います。
'60sの新車を買えなかった若きホットロッダ−達がH-D社の思いも寄らない手法でア−リ−Sの魅力を引き出しました。外装をチョップしてキャブを変えると低速から大きなトルクの大波が起こる面白さを発見した事です。
これはPANと同じヘビ−クランクで50%バランスながらHEMIヘッドとの組み合わせが絶妙な効果をもたらした結果でした。
一方コ−ンMでは高速ツ−リング用途としてア−リ−より軽いクランクで60%バランスを設定したのでそれは成功しましたが牙を抜かれた感は否めません。それでもスポ−ツタイプのFX系がもたらした乗り易さは私にも衝撃で試行錯誤の軽量化をフルドレスに費やす苦労が必要無くなった訳ですから。
両者は全く異なる設計理念ですがア−リ−がいまだに支持されるのは手強く大いなるトルクの波に乗れるだけでなく腰上をPANのチュ−ニングヘッドを積めば史上最強のホットロッドE/gさえも夢で無くなる無限の可能性が秘めているからだと思っています。
S & S, V-TWIN等から純正と中身は全く違えどもア−リ−Sコンプリ−トが出ているのは上記の考え方と同様の発想からでしょう。
メ−カ−としてのH-D社はリスペクトしつつもそれを越えるホットロッダ−の想いは理解されて欲しいものです。

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