70年代にドラッグレーサーで名を馳せたヴァーン・オットーがチューニング集大成になるシェビー V8クランクのアイデアを取り込んだモンスターEVOの設計に挑みました。やがてスポンサーにMID USAが独占契約に入り90年代にパワーハウス114” が始まりました。
プロジェクトの顔として映画マールボローマンのミッキーロークが関わりコンプリートE/gの反響は大きくも当時は量産型S & Sに比べ余りに高価格がネックでした。
クランクシャフトとポークチョップ・フライホィール(日本で言う錨型) は一体成形ビレットでカワサキZ1ストローカーで有名なFalicon製、クランクピンはシェビースモールブロックと同じ2インチ 大径サイズ、ベアリングはシェビー製メタル転用、コンロッドはハーレーの親子型では無くサイドバイサイドと呼ぶ独自の設計。
オフセットピストンピンを有すコンロッドはオールドレースファンにはコスワースで馴染みのキャリロ製。
これら心臓部をセットするのはデルクロン特注ケースDR 3 でピストンクーラージェットを装備。
このクーラージェットは私も長く常用しておりブループリントでは信頼しております。
巨大なクランクピンをフルに潤滑させるには純正ハーレーでは信じられないアイドル時 40ポンド、常用回転時60ポンドの設計で私のシャベルFXSに試したらE/gは静粛でもプッシュロッドカバーから止め切れないオイルが吹き出て最終的にソリッドリフターにせざるを得ませんでした。
私のプランとしては先ず眠らせていたPowerHouse 114” をそのまま再現してから次に後年に物議を醸した高回転時の問題を現代のテクノロジーで日本の道路事情に対応させる進化をさせたいと考えます。
7500回転 135馬力は無用の長物で走らせる道路も無いのでトルクバンドを如何に太らせるかが課題で実は既にフライホィールの先行開発を114”とは別に進行させています。ポークチョップではタイミングマークが取れないのでバランスマスター用のリングを溶接したので楽しみです。今は亡きVarn Ottoをリスペクトしつつ私が後に続きましょう。